外貨建てMMFをドルで売買すると損するかも

 先日ふくりねこはSBI証券で外貨建てMMFを買付ました。しかし、2日後にはすぐに売却しました。外貨建てMMFのデメリットについての体験談です。
 

外貨建てMMFとは

 外貨建てMMFは安全性の高い債券などで運用されるため、元本割れリスクが低く、また利回りもソコソコ高い投資信託のこと。外貨普通預金よりは利回りが良いです。

 また売買手数料が掛からないメリットがあります。(ただし円での売買を行う場合は、為替手数料が必要)

2.1%の金利に魅かれて買付

 1月7日にSBI証券で「ブラックロック」という外貨建てMMFの「2.1%」という金利に魅力を感じて、住信SBIネット銀行のドル口座から「1,852.47ドル」をSBI証券へ入金し、早速買付を行いました。

 まず買付時の取引明細を見て「なんだこれは?」と一瞬固まりました。この日の為替レートは108円台だったのですが、明細では為替レートが「109.52円」と随分円高で買付したことになっています。

 SBI証券のヘルプで調べたところどうやら「TTSレート」なるレートで計算されている模様。1円円高のレートになっている(?)ようです。

 私はこの時は「ドルで買付して、売却時の通貨もドルを選択する」予定でいたため、特に為替レートは関係無いと・・・と考えていました。

売却時、円換算で税金が取られるらしい

 外貨建てMMFを買付した後で、経験者の方のブログを色々と見ていると、

  • 売却時にドルを選択しても、評価損益は円換算で計算する。
  • 円換算のレートは売却時点の為替レート(TTBレート)が採用される。

 ・・・ということが判明しました。

 この「評価損益は円換算で計算する」が曲者です。

 もしも買付時の為替レートよりも売却時のレートが円安に動いていた場合、外貨建てMMFの利息とは別に「為替差益」が発生します。

 MMFの売却時には「受取利息」と「為替差益」に税金(20.315%)が掛かるのですが、円転(ドルから円に戻す行為)を行わなかったとしても、「円転したとみなして」課税される・・・。ということなのです。

 ・・・なんと理不尽な。

保有日数2日で即売却

 ふくりねこは、ドル資産を持っておくためにドルを買っていたため、MMFを売却する際に円転する気は全くなかったので、円安で発生する「含み益」に課税されてはたまらない・・・とすぐに売却することを決断しました。

 上図が売却明細です。2日間で「0.2ドル」の利息が付いていました。 売却時の「TTBレートは」この日の為替レートよりも1円程度円高で計算されているようです。

 そして外貨建てMMFの売却による評価損益が以下のように通知されてきました。為替差損の影響で「マイナス3,354円」です。

 今回は売却時のTTBレートが買付時の TTSレートよりも円高であったため評価損益は「マイナス」になっており、課税されませんでしたが、もし売却時のレートが買付時のレートよりも円安になっていて為替差益が出ている場合は、ドル決済にも関わらず「課税される」ということです。

 ・・・これはつまらない。

ドル定期預金でいいや

 そんな問題があるのであれば、「もうドル定期預金でいいや」と考えをあらため、住信SBIネット銀行で、3ヵ月定期預金を申込みしました。金利は2.0%です。

 ・・・どうせすぐに使わないドルなら、住信SBIネット銀行の定期預金の方が良さそうです。

悪用されないのかな?

 ただひとつ疑問に思ったことがあります。どうやら買付時TTSレートと売却時TTBレートは2円ぐらい(ぐらい・・・と言うのは、SBI証券のサイトを調べても明確な記述が見当たらなかったためです。)の差があるようなので、売却時の為替レートが買付時のレートよりも2円以上円安に動いていなければ、評価損益はマイナスになります。

 ドル円レートは比較的落ち着いた動きをしているため、1日で2円以上動く事はそんなに多くないように思います。(これはあくまで私の感覚ですが・・・。)

 よって、例えば「買付してすぐ翌日売却」とした場合、結構な確率で評価損が発生するように思います。

 でもドルで買付しドルで売却した場合、実態としては何ら損失は発生していないため、結果、特定口座に評価損だけが計上されます。(今回の私のように。)

 この評価損は特定口座の別の取引で発生した評価損益と損益通算してもらえるので、もし特定口座を使った株式の売買などで「他に評価益があれば相殺される」ことになる・・・はずです。(私は特定口座で他の取引をしていないため、確証はありませんが。)

 よって外貨建てMMFをひたすらドルで買付→翌日売却を繰り返して評価損を計上していけば、税金逃れができてしまわないのでしょうか・・・。

 ・・・まあそんなことをする人はいないのかな。・・・よく分からないけど。いずれにしても何だか腑に落ちないルールです。