エコキュート設置前後2年の電気料金を比較してみた

本日は節約ネタです。
ふくりねこ家では昨年の3月にエコキュート(電気給湯器)を設置しました。
エコキュートは高効率で電気代の節約になると言われていますが、本当に節約になっているのかどうかを2年間かけて検証しましたのでご覧ください。
 

エコキュートを設置した理由

ふくりねこ家がエコキュートを設置した理由はとても簡単で、「利用していた電気温水器が故障したため」です。

ふくりねこは約5年前に今の住宅(一戸建て)を中古で購入しました。
中古住宅には最初から電気温水器が設置されていてそれをそのまま利用していたのですが、昨年の冬に突然エラーが頻繁に出力されるようになり、交換を検討することとなりました。電気温水器は15年前に製造されたものでした。

エコキュートは高効率で電気代が節約になることは良く知っていたのですが、我が家は少人数なのであまり大きな効果が期待できなかった事と、そもそも初期投資が必要だということで、交換を躊躇していました。しかし電気温水器が故障してくれればもはや何も悩むことは無いですね。

電気温水器とエコキュートの違い

電気温水器とエコキュートの違いが分からない方のために、簡単に違いを説明します。

まず電気温水器とエコキュートはどちらも「電気」を使ってお湯を作る「電気給湯器」です。主に電気料金が安い夜間電力を利用して1日分のお湯を沸かし、保温されたタンクに貯めておきます。
「夜間電力でお湯を作って貯湯タンクに貯め、日中はそのお湯を使う給湯器」という意味では同じ種類の機械になります。

では電気温水器とエコキュートは何が違うかと言いますと、「お湯の作り方」が違います。

電気温水器は貯湯タンクの中に電熱棒が入っており、電気の力で電熱棒を熱してお湯を作りますが、エコキュートは「ヒートポンプ」と呼ばれるエアコンの室外機のような装置で熱を起こしてお湯を作ります。

エコキュートはヒートポンプでお湯を作る

電気温水器の電熱棒は「電気の力1」に対して「1の熱」しか作れませんが、エコキュートのヒートポンプは「電気の力1」に対して「3以上の熱」を作ることができます。
よって、小さな電気エネルギーで沢山のお湯を作ることができるため、電気代の節約ができるのです。

装置の本体価格は、電気温水器と比較するとエコキュートの方が割高になります。

比較の方法

エコキュート設置前1年と設置後1年の電気使用量を比較します。
私は5年前に中古住宅を購入して以来、ずっと電気使用量を詳細に記録していますので、エコキュート設置前後の比較が可能なのです。

ふくりねこの電気使用量台帳(5年以上続けています)

電気給湯器の電気使用量は季節によって変動します。冬は気温が低く水道管の水が冷たいため、お湯を作るエネルギーが沢山必要ですし貯湯タンク内のお湯も冷めやすいです。反対に夏は水道管の水が温かいため、お湯を作るエネルギーは冬と比較すると小さくなります。
このように季節による差が生まれますので、電気使用量は1年を通して比較しないと適切な結果になりません。

エコキュートの設置工事は2018年3月に実施しました。2018年3月の電気代はエコキュート設置前(電気温水器)とエコキュートの電気使用量が混在になりますので除外します。3月の比較については「2017年3月」と「2019年3月」を比較することにします。

以上の前提条件より、次の期間の比較を実施します。
設置前・・・2017年3月~2018年2月(1年)
設置後・・・2018年4月~2019年3月(1年)

尚、ふくりねこ家は夫婦2人と子供1人の家族3人です。家族構成(お湯の使用量)により節約効果は変わりますので、参考にして下さい。

それでは15年前の電気温水器を最新のエコキュートに切り換えた結果、どれほどの効果が出たのかをご覧ください。

設置前後の電気使用量比較

総電力使用量

まず総電力使用量をグラフで比較してみます。

全体的に大幅に電力使用量が減少しているようですが、大きな差がついたのは1月・2月です。600kWh以上の電気使用量減少が確認できました。

全体平均で 39.3%の電気使用量削減が確認できました。

夜間電力使用量

次に夜間電力の使用量のみで比較してみます。

総電力使用量は日中の電力使用量が含まれているため、日中の過ごし方が電気使用量のノイズとなる可能性がありますが、夜間電力の使用量についてはほぼ電気給湯器が主体となるため、より正確にエコキュートの効果を見極めることができるはずです。

凄いぞエコキュート!

いやはや驚きました。電気温水器をエコキュートに交換したことで全期間において大きく電気使用量が削減されています。凄いぞエコキュート!

その差は1年で実に 4,741kWh!全期間平均でなんと61.9%もの削減効果が出ていました。

我が家の場合、夜間電力の使用量が約6割削減できたことにより、自宅の総電力使用量が約4割も削減されたことになりました。
今回の検証を通じて、給湯器は自宅のエネルギー消費の多くを占めていることが分かりました。

電気料金はいくら削減できたか

最大の注目ポイントはエコキュートの導入により「電気料金がどれだけ削減されたか?」です。

エコキュート設置前1年の電気料金総額は「173,099円」
エコキュート設置後1年の電気料金総額は「133,737円」
その差は「39,362円」でした。

ただし、電気料金は原油価格変動を料金に転嫁するための「燃料調整費」や、再生可能エネルギー発電促進のために発生する費用など、様々な制度による料金調整が発生するため、支払金額による単純比較はできません。今回のケースですと、昨年は原油価格が上昇傾向であったため、2年前と比較すると昨年は燃料調整費が高くなっていました。

ふくりねこは燃料調整費やその他のコストも全て記録していますので、それらを加味して独自に計算してみました。

独自計算の結果、削減できた電気料金は「約48,000円」でした。
月額に直すと約4,000円も電気代が節約できたことになります。

私が想像していたよりもずっと大きな節約効果でした。エコキュートは電気温水器よりも本体価格が高いので初期投資が高くなりますが、初期投資の費用差額は十分回収できるだけの省エネ能力を持っていることが分かりました。

エコキュート、やっぱりいいじゃない。